【火山情報】

2020年03月23日16時00分 発表

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 3月19日から23日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。

【火山活動の状況】
 新燃岳では、火口直下を震源とする火山性地震の回数が2019年11月以降増減を繰り返しています。

 火口西側斜面の割れ目から噴気が引き続き観測されており、最高で100mまで上がりました。また、3月以降、火口西側斜面の割れ目付近で地熱域のわずかな拡大が認められます。新燃岳火口からの噴煙の状況に特段の変化は認められません。
 
 新燃岳近傍の傾斜計では、火山活動に伴う特段の地殻変動は観測されていません。また、GNSS連続観測では、2011年や2017年から2018年の活発な噴火活動時にみられた霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる基線の伸びは、みられていません。
 
 3月19日からの火口直下を震源とする火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動
  3月19日        0回    0回
    20日       16回    0回
    21日       14回    0回
    22日        3回    0回
    23日15時まで   5回    0回
 
 新燃岳では、火山性地震の回数は増減を繰り返しており、火口西側斜面の割れ目において噴気や地熱域のわずかな拡大がみられるなど、火山活動が高まった状態となっていることから、今後の情報に留意してください。

【防災上の警戒事項等】
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、27日(金)16時頃に発表の予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

【火山情報】

2020年03月23日16時00分 発表

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 3月19日から23日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

【火山活動の状況】
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 南岳山頂火口では、噴火が9回発生し、このうち5回が爆発でした。噴煙は最高で火口縁上2800mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で4合目(南岳山頂火口より1300mから1700m)まで達しました。また、同火口では、高感度の監視カメラで夜間に火映を観測しました。

 火口直下の火山性地震は少ない状態で経過しましたが、22日に桜島の南西側を震源とする火山性地震が一時的に増加しました。噴火に伴う火山性微動が発生しました。
 
 3月19日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動   爆発
  3月19日       13回   34回   2回
    20日       22回   24回   1回
    21日       18回   12回   2回
    22日       66回   81回   0回
    23日15時まで   8回   37回   0回
 
 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、山体の隆起・膨張を示すゆるやかな変動がみられています。また、GNSS連続観測では、2019年9月頃から桜島島内の基線のわずかな伸びが認められています。これらのことから、桜島では今後も噴火活動が継続する可能性があります。

【防災上の警戒事項等】
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、27日(金)16時頃に発表の予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。