2020年03月19日16時00分 発表
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
3月16日から19日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。
【火山活動の状況】
桜島では、噴火活動が続いています。
南岳山頂火口では、爆発が2回発生しました。噴煙は最高で火口縁上3000mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で6合目(南岳山頂火口より800mから1100m)まで達しました。また、同火口では、高感度の監視カメラで夜間に火映を観測しました。
16日に海上自衛隊第1航空群の協力により実施した上空からの観測では、南岳山頂火口周辺や昭和火口内の状況に特段の変化は認められませんでした。なお、南岳山頂火口内は噴煙のため詳細な状況は確認できませんでした。
18日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり3400トン(前回3月3日、1300トン)と非常に多い状態でした。
火山性地震は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が発生しました。
3月16日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
火山性地震 火山性微動 爆発
3月16日 7回 11回 0回
17日 12回 32回 1回
18日 5回 9回 0回
19日15時まで 5回 10回 1回
島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、山体の隆起・膨張を示すゆるやかな変動がみられています。また、GNSS連続観測では、2019年9月頃から桜島島内の基線のわずかな伸びが認められています。これらのことから、桜島では今後も噴火活動が継続する可能性があります。
【防災上の警戒事項等】
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、23日(月)16時頃に発表の予定です。
なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。