2020年05月11日16時00分 発表
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
5月8日から11日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。
【火山活動の状況】
桜島では、活発な噴火活動が続いています。
南岳山頂火口では、噴火が5回発生し、このうち3回が爆発でした。このうち9日05時31分の爆発では、噴煙は火口縁上4200mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石は7合目(南岳山頂火口より600mから900m)まで達しました。南岳山頂火口の噴火で噴煙が火口縁上4000m以上まで上がったのは、2019年11月8日の爆発(火口縁上5500m)以来です。また、同火口では、高感度の監視カメラで夜間に火映を観測しました。
火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は噴火に伴って発生しています。
島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、山体の隆起・膨張を示すゆるやかな変動がみられています。また、GNSS連続観測では、2019年9月頃から桜島島内の基線のわずかな伸びが認められています。これらのことから、桜島では今後も噴火活動が継続する可能性があります。
8日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
火山性地震 火山性微動 爆発
5月 8日 6回 4回 0回
9日 9回 5回 2回
10日 3回 0回 1回
11日15時まで 0回 0回 0回
【防災上の警戒事項等】
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、15日(金)16時頃に発表の予定です。
なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。