2020年05月15日16時10分 発表
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
5月11日から15日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。
【火山活動の状況】
桜島では、活発な噴火活動が続いています。
南岳山頂火口では、噴火が7回発生し、このうち6回が爆発でした。噴煙は最高で火口縁上2200mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で6合目(南岳山頂火口より800mから1100m)まで達しました。また、同火口では、高感度の監視カメラで夜間に火映を観測しました。
12日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり2700トン(前回5月7日、2300トン)と多い状態でした。
火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は噴火に伴って発生しています。
桜島では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量が多い状態であることや、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給が継続していることから、今後も噴火活動が継続する可能性があります。
11日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
火山性地震 火山性微動 爆発
5月11日 7回 0回 3回
12日 8回 0回 1回
13日 7回 0回 1回
14日 6回 0回 1回
15日15時まで 4回 0回 0回
【防災上の警戒事項等】
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、18日(月)16時頃に発表の予定です。
なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。