2020年12月11日11時10分 発表
<噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続>
新燃岳では火口周辺に影響を及ぼす噴火の可能性は低くなりました。
【火山活動の状況】
新燃岳では2018年6月28日以降、噴火は発生していません。
火口直下を震源とする火山性地震が2019年11月17日頃から増加し、その後、増減を繰り返していましたが、2020年10月中旬以降、地震活動は低下傾向にあります。
山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、4月9日に100トンを観測し、23日に500トンと更に増加しましたが、それ以降は概ね100トンで推移しています。
新燃岳火口西側斜面の割れ目では、2月13日以降噴気が確認され、3月上旬頃からは地熱域のわずかな拡大を確認していますが、それ以降は更なる噴気活動の活発化や地熱域の拡大はみられていません。
新燃岳近傍の傾斜計では、山体膨張を示す変化はみられていません。
GNSS連続観測は、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる基線の伸びは2019年2月以降停滞しています。
これらのことから、新燃岳火口周辺に影響を及ぼす噴火の可能性は低くなったと判断し、本日(11日)11時00分に噴火警報を解除しました。
【防災上の警戒事項等】
活火山であることから、新燃岳火口内及び西側斜面の割れ目付近では、火山灰の噴出や火山ガス等に注意してください。
地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
噴火警報の解除に伴い、今回の一連の火山の状況に関する解説情報の発表はこれで終了します。
なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。