【火山情報】

2021年09月18日16時00分 発表

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 桜島では、山体膨張を示すわずかな地殻変動が引き続き観測されています。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

【火山活動の状況】
 桜島では、13日03時頃から島内に設置している傾斜計及び伸縮計で、山体膨張を示すわずかな地殻変動が観測されており、現在も続いています。
 
 この山体膨張が一度に解消されるような噴火が発生すると、2018年6月16日の南岳山頂火口における噴火のように、多量の降灰及び小規模な火砕流を伴う可能性があります。また、やや規模の大きな爆発が発生し、火口から1kmを超えて大きな噴石が飛散する可能性もあります。
 
 本日(18日)、実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり1000トン(前回15日、700トン)とやや多い状態でした。

 昨日(17日)から本日15時にかけて、火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。
 
 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は2020年9月下旬以降概ね多い状態が続いています。南岳山頂火口を中心に、噴火活動が再び活発化するおそれがありますので、今後の火山情報に注意してください。

【防災上の警戒事項等】
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、19日(日)16時頃に発表の予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。