2021年12月10日16時00分 発表
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
12月6日から10日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。
【火山活動の状況】
南岳山頂火口では、噴火が2回発生し、噴煙が最高で火口縁上1200mまで上がりました。
また、同火口では、期間を通して夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
8日に海上自衛隊第1航空群の協力により実施した上空からの観測では、南岳山頂火口と昭和火口の火口内及びその周辺の状況に特段の変化は認められませんでした。
火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。
島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、11月に入り山体膨張を示すごくわずかな地殻変動が観測されています。
GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びは、2021年6月頃から停滞しています。
桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量はやや多い状態で経過しています。また、山体膨張を示すごくわずかな地殻変動が引き続き観測されていることから、現在噴火活動がみられている南岳山頂火口を中心に、噴火活動が再び活発化するおそれがありますので、今後の火山情報に注意してください。
火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
火山性地震 爆発
12月 6日 5回 0回
7日 4回 0回
8日 4回 0回
9日 9回 0回
10日15時まで 2回 0回
【防災上の警戒事項等】
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、13日(月)16時頃に発表の予定です。
なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。