2022年09月23日16時00分 発表
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
9月19日から23日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。
【火山活動の状況】
桜島では、噴火活動が続いています。
南岳山頂火口では、噴火が2回発生しました。噴煙は最高で火口縁上2400mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴石が最大で8合目(南岳山頂火口より500mから700m)まで達しました。
また、同火口では夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
昨日(22日)に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり1900トン(前回9月12日、2400トン)と、やや多い状態でした。
火山性地震は少ない状態で経過しています。主に噴火に伴う火山性微動が発生しました。
GNSS連続観測では、昨年(2021年)10月頃から、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びがみられていましたが、3月頃から停滞しています。
広域のGNSS連続観測によると、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態と考えられ、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ね多い状態で経過していることから、現在、噴火活動がみられている南岳山頂火口を中心に、今後も噴火活動が継続すると考えられます。今後の火山情報に注意してください。
火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、火山性地震の回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
火山性地震 爆発
9月19日 4回 0回
20日 27回 0回
21日 4回 0回
22日 1回 0回
23日15時まで 2回 0回
【防災上の警戒事項等】
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、26日(月)16時頃に発表の予定です。
なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。