【火山情報】

2023年07月28日16時00分 発表

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 7月24日から28日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせします。硫黄山では火山活動が高まった状態となっています。硫黄山火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。

【火山活動の状況】
 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線において、2023年5月頃から硫黄山の山体浅部における膨張を示すと考えられるわずかな伸びがみられています。
 
 硫黄山の南側の噴気地帯では、噴気が最高で200mまで上がるなど、活発な噴気活動が続いています。硫黄山の西側500m付近では、噴気は観測されていません。
 
 硫黄山付近の浅いところを震源とする火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。
 
 火山活動が高まった状態となっており、硫黄山火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす程度の噴火が発生する可能性があります。

【防災上の警戒事項等】
 硫黄山火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、31日(月)16時頃に発表の予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

【火山情報】

2023年07月28日16時00分 発表

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 7月24日から28日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

【火山活動の状況】
 桜島では、噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、24日にごく小規模な噴火が発生しました。また、同火口では、期間を通して夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
 
 昭和火口では、25日03時49分に噴火が発生し、噴煙は火口縁上1000mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は昭和火口より200mまで達しました。また、同火口では火映は観測されていません。
 
 23日頃から、桜島島内の南西側を震源とする火山性地震がやや増加しています。26日10時54分には、やや規模の大きな地震(マグニチュード3.1:暫定値)が発生し、最大震度2を観測しました。その後は、体に感じる規模の地震は発生していません。また、今期間火山性微動は観測されていません。
 
 26日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり1600トン(前回7月20日、3200トン)とやや多い状態でした。
 
 GNSS連続観測では、桜島島内の一部の基線で2023年1月頃から山体膨張に伴うとみられるわずかな伸びが認められていましたが、4月頃から停滞しています。また、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)を挟む基線では、長期にわたり姶良カルデラの地下深部の膨張を示す緩やかな伸びがみられています。
 
 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ね多い状態であることから、今後南岳山頂火口や昭和火口において噴火活動が再び活発化する可能性があると考えられます。今後の火山情報に注意してください。
 
 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、火山性地震の回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震  爆発
  7月24日       45回  0回
    25日       53回  0回
    26日      141回  0回
    27日       44回  0回
    28日15時まで  10回  0回

【防災上の警戒事項等】
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、31日(月)16時頃に発表の予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。