2020年03月19日16時00分 発表
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
3月16日から19日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。火山性地震の回数が概ね多い状態で経過するなど火山活動が高まっています。
【火山活動の状況】
新燃岳では、火口直下を震源とする火山性地震の回数が2019年11月以降増減を繰り返しています。火山性地震は16日から17日にかけて増加し、多い状態となっていました。火山性微動は観測されていません。
16日に海上自衛隊第1航空群の協力により実施した上空からの観測では、新燃岳火口内の状況に特段の変化は認められませんでした。また、火口西側斜面の割れ目において白色の噴気を確認しました。
17日に韓国岳山頂から実施した観測では、前回観測(1月21日)と比べて、火口西側斜面の割れ目上方で地熱の広がりを確認しました。
新燃岳近傍の傾斜計では、火山活動に伴う特段の地殻変動は観測されていません。また、GNSS連続観測では、2011年や2017年から2018年の活発な噴火活動時にみられた霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる基線の伸びは、みられていません。
3月16日からの火口直下を震源とする火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
火山性地震 火山性微動
3月16日 30回 0回
17日 55回 0回
18日 2回 0回
19日15時まで 0回 0回
新燃岳では、火山性地震の回数は概ね多い状態で経過しており、火口西側斜面の割れ目において噴気や地熱域のわずかな拡大がみられるなど、火山活動が高まった状態となっていることから、今後の情報に留意してください。
【防災上の警戒事項等】
弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概ね2kmの範囲では警戒してください。
風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。
地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、23日(月)16時頃に発表の予定です。
なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。