2021年01月29日16時00分 発表
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
1月25日から29日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。
【火山活動の状況】
新燃岳では、火口直下を震源とする火山性地震は、直近10日間に合計で127回発生しており、少ない状態です。火山性微動は観測されていません。
新燃岳火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上100mまで上がりました。
25日に新湯温泉付近から実施した現地調査では、火口西側斜面の割れ目付近で引き続き噴気や地熱域を観測しましたが、特段の変化は認められませんでした。
傾斜計の観測データに特段の変化は認められません。
GNSS連続観測では、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示す基線で、2019年7月頃から縮みが続いていましたが、2020年11月頃から停滞しています。
火山性地震の回数は増減を繰り返しており、火山活動がわずかに高まった状態となっています。今後の情報に注意してください。
25日からの火口直下を震源とする火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
火山性地震
1月25日 21回
26日 23回
27日 5回
28日 4回
29日15時まで 1回
【防災上の警戒事項等】
弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概ね2kmの範囲では警戒してください。
風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。
地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、2月1日(月)16時頃に発表の予定です。
なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。