2018年11月16日16時00分　発表

＜火口周辺警報（噴火警戒レベル２、火口周辺規制）が継続＞
　１１月１２日から１１月１６日１５時までの硫黄山の活動状況をお知らせします。

【火山活動の状況】
　硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が継続しています。

　硫黄山の南側の噴気地帯では、噴気が３００ｍ以上に上がるなど活発な噴気・熱泥噴出活動が続いており、１３日１１時０１分頃には、高さ３０ｍ程度の熱泥噴出を確認しました。また、硫黄山の西側５００ｍ付近では、噴気が１００ｍまで上がりました。硫黄山南監視カメラでは、引き続き硫黄山の南側の湯だまりを確認しています。

　１３日に実施した現地調査では、硫黄山周辺の噴気地帯で引き続き活発な噴気活動や熱異常域を確認しましたが、前回（１０月１１日）と比較して特段の変化は認められませんでした。

　硫黄山付近では火山性地震がやや多い状態で経過しています。浅い所を震源とする低周波地震も引き続き発生しています。火山性微動は観測されていません。また、硫黄山周辺でも火山性地震が時々発生しています。

　１１月１２日からの硫黄山付近の火山性地震（ごく微小な地震を含む）、火山性微動の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

　　　　　　　　　　　火山性地震　　　　　　　火山性微動
　１１月１２日　　　　　　２７回　（１５回）　　　　０回
　　　　１３日　　　　　　１５回　（１１回）　　　　０回
　　　　１４日　　　　　　２７回　（１３回）　　　　０回
　　　　１５日　　　　　　１５回　（１０回）　　　　０回
　　　　１６日１５時まで　１４回　（　８回）　　　　０回
　　　　　　　　　　　　　　　　　（）内はごく微小な地震

　ＧＮＳＳ連続観測では、硫黄山近傍の基線で伸びの傾向が続いています。また、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる基線の伸びが継続しており、火山活動の長期化も考えられます。
　硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が継続しており、ごく小規模な噴火の可能性があります。

【防災上の警戒事項等】
　えびの高原の硫黄山から概ね１ｋｍの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
　風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石（火山れき）が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。

　次の火山の状況に関する解説情報は、１９日（月）１６時頃に発表の予定です。
　なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。