2022年07月22日16時00分 発表
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
7月18日から22日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。
【火山活動の状況】
桜島では、18日09時頃から島内に設置している傾斜計及び伸縮計で、山体膨張を示すわずかな地殻変動が観測されています。20日15時頃からその変化は停滞していますが、山体が膨張した状態は現在も続いています。
この山体膨張が一度に解消されるような噴火が発生すると、多量の噴煙を伴った噴火や、やや規模の大きな爆発となる可能性があります。
南岳山頂火口では、ごく小規模な噴火が時々発生しました。
火山性地震は少ない状態で経過しています。昨日(21日)に継続時間の短い火山性微動が発生しました。
GNSS連続観測では、昨年(2021年)10月頃から、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びが認められていましたが、3月頃から停滞しています。
桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態であることから、現在噴火活動がみられている南岳山頂火口を中心に、噴火活動が活発化する可能性がありますので、今後の火山情報に注意してください。
火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
火山性地震 爆発
7月18日 0回 0回
19日 3回 0回
20日 0回 0回
21日 2回 0回
22日15時まで 2回 0回
【防災上の警戒事項等】
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、23日(土)16時頃に発表の予定です。
なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。