【火山情報】

2022年07月01日16時00分 発表

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 6月27日から7月1日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。新燃岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

【火山活動の状況】
 新燃岳では、火口直下を震源とする火山性地震はやや多い状態で経過していましたが、5月中旬以降、減少傾向がみられています。
 
 新燃岳火口内及び西側斜面割れ目付近では、噴気の状況に特段の変化は認められません。
 
 GNSS連続観測では、昨年(2021年)12月頃から、霧島山を挟む基線において、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる伸びが認められます。また、新燃岳を挟む基線においては、2022年4月頃からわずかな伸びが認められます。
 
 火山性地震は減少傾向がみられていますが、GNSS連続観測で新燃岳を挟む基線においてわずかな伸びが認められることから、今後の火山情報に注意してください。

【防災上の警戒事項等】
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、4日(月)16時頃に発表の予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

【火山情報】

2022年07月01日16時00分 発表

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 6月27日から7月1日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

【火山活動の状況】
 南岳山頂火口では、噴火が3回発生し、このうち1回が爆発でした。噴煙は最高で火口縁上1600mまで上がりました。27日12時21分に発生した爆発では、大きな噴石が7合目(南岳山頂火口より600mから900m)まで達しました。桜島で爆発が発生したのは2022年1月28日以来です。
 また、同火口では、期間を通して夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
 
 昨日(30日)実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり800トン(前回6月16日、1200トン)と、大きな変化はありませんでした。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。
 
 GNSS連続観測では、昨年(2021年)10月頃から、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びが認められていましたが、3月頃から停滞しています。
 
 桜島では、噴火活動は低調に経過していますが、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量はやや多い状態で経過しています。これらのことから、現在噴火活動がみられている南岳山頂火口を中心に、噴火活動が活発化する可能性がありますので、今後の火山情報に注意してください。
 
 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震  爆発
  6月27日        4回  1回
    28日        2回  0回
    29日        3回  0回
    30日        0回  0回
  7月 1日15時まで   0回  0回
 
 なお、6月27日12時21分の噴火に関しては、精査の結果、爆発として計数しています。

【防災上の警戒事項等】
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、4日(月)16時頃に発表の予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。