【火山情報】

2023年11月27日16時00分 発表

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 11月24日から27日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

【火山活動の状況】
 桜島では、噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、ごく小規模な噴火が時々発生しました。また、同火口では、期間を通して夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
 
 昭和火口では、噴火及び火映は観測されていません。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。
 
 24日に鹿児島県の協力により実施した上空からの観測では、南岳山頂火口内は噴煙により確認できませんでしたが、昭和火口内の地熱域及び両火口周辺の状況に特段の変化は認められませんでした。
 
 GNSS連続観測では、桜島島内の一部の基線で2023年1月頃から山体膨張に伴うとみられるわずかな伸びが認められていましたが、4月頃から停滞しています。また、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)を挟む基線では、長期にわたり姶良カルデラの地下深部の膨張を示す緩やかな伸びがみられています。
 
 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ね多い状態であることから、南岳山頂火口や昭和火口において今後も噴火活動が継続すると考えられます。今後の火山情報に注意してください。
 
 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、火山性地震の回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
             火山性地震  爆発
  11月24日        2回  0回
     25日        2回  0回
     26日        5回  0回
     27日15時まで   0回  0回

【防災上の警戒事項等】
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、12月1日(金)16時頃に発表の予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

【火山情報】

2023年11月27日16時00分 発表

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 11月20日から27日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせします。硫黄山では火山活動が高まった状態と考えられます。硫黄山火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。

【火山活動の状況】
 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の一部の基線において、2023年5月頃から硫黄山の山体浅部における膨張を示すと考えられるわずかな伸びが継続していますが、10月頃から鈍化しています。
 
 硫黄山の南側の噴気地帯では、噴気が最高で300mまで上がるなど、活発な噴気活動が続いています。硫黄山の西側500m付近では、高さ10mの弱い噴気を観測しました。
 
 20日から21日にかけて実施した現地調査では、硫黄山の南側の噴気地帯において活発な噴気活動を引き続き確認しました。硫黄山の南側の噴気孔では、湯だまりの中から高さ3m程度の土砂噴出が繰り返しみられました。硫黄山の火口南側斜面及び南側の噴気地帯の地熱域の状況に特段の変化は認められませんでした。また、硫黄山西側500m付近では、弱い噴気を引き続き確認しました。
 
 硫黄山付近の浅いところを震源とする火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。
 
 火山活動が高まった状態と考えられることから、硫黄山火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす程度の噴火が発生する可能性があります。

【防災上の警戒事項等】
 硫黄山火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、12月4日(月)16時頃に発表の予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。